[実話]16歳〜私の生きた道〜
カミソリ


眠れない日々。
遥花の記憶と焼けるような痛みを和らげるためにに、リストカットを始めた。
小学校4年生になった私は誰に教えられるわけでもなく、たまたま見たテレビでリストカットをする中高生をとりあげた特集を見て、真似して傷つけるようになっていった。
「嫌なことや悲しいことがあって死にたくなることがあるけど、リスカするとスウッと気が楽になっていくから」
インタビューをうけた女の子の話がすごく私の今の状況と似ていて、同じようにすれば私も楽になれるかもしれない。
それが私のリストカットを始めた理由だった。

夜こっそりと小さなカミソリを握りしめて皮膚に傷をつける。
血が滲む…。痛みよりも血が流れる感触に『生』を感じていた。
なのに楽になどならずに、余計に生きること目の前に突きつけられてが苦しくなっていた。
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