[実話]16歳〜私の生きた道〜
バイク
ひとりじゃない、そう思った矢先だった。
いつものように、夜遊ぼうと千秋に誘われた。
体調が悪くて、その日は珍しく断った。
その次の日も体調が悪くて、学校に行ったのは3日後だった。
いつものように、先生に隠れながら特別教室に行くと、千秋の机の上に花が置いてあった。
はじめは、それが何なのか理解できなくて、千秋は今日休みかと、カウンセラーの先生にたずねた。
帰ってきた言葉は信じられないものだった。
「千秋ちゃんは一昨日の夜にバイク事故で亡くなったの…」
言葉が出なかった。
一昨日は千秋が遊ぼうって誘ってくれた日…。
私はまた、ひとりになってしまった。
他の先生たちは無免許で遊び歩くからだとか、自業自得だとか言って、誰ひとり千秋の『死』を悲しんでいないように見えた…。
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