[実話]16歳〜私の生きた道〜
「そんなに恥ずかしがらないでいいのに。」
と、真っ赤な顔をした優を見て健さんは笑った…。
恥ずかしさが耐えられなくて思わず両手で顔を覆った。
「あらあら、そんなに恥ずかしい?大丈夫だから、ほら、手をどけて?」
手をどけると、健さんの大きな瞳と目が合って、
また恥ずかしさが増した。
「……っ。」
声にならない声をあげて、かたまってしまっている優を見て、
健さんは声をあげて笑った。
「そんなに恥ずかしがり屋さんな子は、はじめてだよ。」
だって…恥ずかしいものはどんなに頑張っても恥ずかしいし…
そんなことを心の中で思った。
「そろそろ帰ろうか、日が落ちてきた。」
「はい…。」
もうすこし一緒に居たかったな…
満たされていた心に少し隙間ができた。

服を着て、チェックアウトする。
部屋の玄関で、また抱きしめられて優しくキスをした。
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