[実話]１６歳〜私の生きた道〜

「うん。優」
「えっと、えっとね…」
自分が、解離性同一性障害を持っていることを話した…。
何も言わず最後まで話を聞いてくれた。
気持ち悪いとか嘘だとか言われると思った…。
「初めてやね～」
「え？」
「いつもは、騙されないのになぁ…」
「違っ、騙したわけじゃ…」
「うんうん。分かってるよ。けど興味あるな」
「興味？」
「うん」
携帯電話から聞こえてくる健さんの声は、少しだけ笑っていた。
今まであったこと、優と健さんの出会いのこと、詳しく教えてくれた。
優の時に出会い系サイトを使って何人もの人と体を重ねたこと…。
健さんとの出会いも出会い系のサイトだったこと…。
援交をしていたこと…。
自傷行為がひどくて精神科に入院したこと…。
詳しく話してくれたのだけど、話を聞いている間は、理解するというより優がしたことを受け止めるのが精一杯だった…。