[実話]16歳〜私の生きた道〜
再び
それから健さんと電話、メール、会うを繰り返し、それまで会ってもほとんど無口だった私も、やっとまともに話すことができるようになった。
その時、健さんは初めて美沙を抱いた。
前に宮本に殺されそうになったことを思い出すと怖くてしかたなかったけど、私の話をきちんと聞いて認めてくれた健さんに抱かれるのは不思議と怖くなかった。
未成年の私を抱いたのはこれが最初で最後で、これ以来は一度も健さんとはセックスしてない。
終わってからゆっくりしていると、健さんが口を開いた。
「美沙はどうする?」
「何が?」
「俺とつき合うかどうか」
「……」
驚いた…たくさん迷惑かけているのに、お別れだと思ったのに、そんなこと言われるなんて。
「つき合いたい…」
「そっか…」
うれしくて、怖くて。
その日は家に帰って、たくさん、たくさん泣いた。

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