[実話]16歳〜私の生きた道〜
「このブランドは紳士ブランドで結構人気があるんですよね。営業マンの方とかスーツにも合うのでおススメですよ!」
「そうなんですか」
健さん営業マンだし、これにしようかな…。
「じゃあこっちのお財布にします」
全体にロゴが入っているほうが光沢がなくて落ち着いた感じだったから、少し悩んでそれ決めた。

健さんは喜んでくれるのかな…?
健さんの仕事が終わる時間が分かるまで、ひとり街でふらふらと遊んだ。
どんな顔をして受け取ってくれるかな。
うれしいって言ってくれるかな。
考えるだけで幸せだった。
夕方になってメールが来た。
バスの時間を待ってカタコト揺られながら健さんの家に帰る。
《先に着いたよ》
と、メールが来ていたから帰ってるんだろうな…。
ドアの前に立って深呼吸してからインターホンを押す。
ピンポーン…。
ガチャッと鍵が開く音がする。
着替え途中の健さんを見て、なぜか恥ずかしくなった…。

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