魔法使い〜大地が堕ちる刻〜
「ここももう…、障気をうけたか」
風の気流を纏いながら、紫とも紺ともとれる色の霧が漂う中を歩いていた。障気を力として取り入れている悪魔のしもべ(魔物と称されている)が現れても、驚きはせず神の力(精神力と集中力をもちて、魔を倒す法を執行する力の事。庶民は神力や法力と呼ぶが、それを極める者達は魔法と称する)を用いて殲滅し、常に廻りを警戒している。周りは朽ち果てた木々や暴走した自然形態が無惨に絵を画き、平和だった頃の美しさは微塵も感じられることはない。
林を抜けると街に続く路が敷かれ、自分の目的地へと漸く辿り着けると、内心安心して疲れたように腰を下ろした。
この地は第二の封印を持つ、ラ=グーンの支配に置かれ、最近は魔物の進攻が強く気を抜く事が出来ない地帯となっている。城下街を越えて少し歩けば、防衛に徹した城がそびえ立ち、騎士団や王宮兵がその中で封印を守護する策を練っているであろう。
遠目に見えた列を成して城に向かう軍団は闇の障気を纏いながら土煙をあげている。第二の攻撃にもう余り時間がないようだ。
「魔の連中は休息を与えてくれないようだな」
どこから出したのか、水色とも青色ともとれる中間色が粒子の集結と放出を繰り返す、杖先の珠が障気を少しずつ浄化を始め、水色の光が輪を上空に施す。
「詠唱は確か…、
『天空の神カルス・ネオトルトの名に於いて。光の軌跡、永の彼方を結べ』」
螺旋状に水色の光は彼の身体を包み込み、そこから卵のような円形で空中に舞い上がり、城の中へと飛んでいった。
風の気流を纏いながら、紫とも紺ともとれる色の霧が漂う中を歩いていた。障気を力として取り入れている悪魔のしもべ(魔物と称されている)が現れても、驚きはせず神の力(精神力と集中力をもちて、魔を倒す法を執行する力の事。庶民は神力や法力と呼ぶが、それを極める者達は魔法と称する)を用いて殲滅し、常に廻りを警戒している。周りは朽ち果てた木々や暴走した自然形態が無惨に絵を画き、平和だった頃の美しさは微塵も感じられることはない。
林を抜けると街に続く路が敷かれ、自分の目的地へと漸く辿り着けると、内心安心して疲れたように腰を下ろした。
この地は第二の封印を持つ、ラ=グーンの支配に置かれ、最近は魔物の進攻が強く気を抜く事が出来ない地帯となっている。城下街を越えて少し歩けば、防衛に徹した城がそびえ立ち、騎士団や王宮兵がその中で封印を守護する策を練っているであろう。
遠目に見えた列を成して城に向かう軍団は闇の障気を纏いながら土煙をあげている。第二の攻撃にもう余り時間がないようだ。
「魔の連中は休息を与えてくれないようだな」
どこから出したのか、水色とも青色ともとれる中間色が粒子の集結と放出を繰り返す、杖先の珠が障気を少しずつ浄化を始め、水色の光が輪を上空に施す。
「詠唱は確か…、
『天空の神カルス・ネオトルトの名に於いて。光の軌跡、永の彼方を結べ』」
螺旋状に水色の光は彼の身体を包み込み、そこから卵のような円形で空中に舞い上がり、城の中へと飛んでいった。