魔法使い〜大地が堕ちる刻〜
封印の施しを探すため、カリスは城内をこの国の長たる王を捜しに散策を始めた。

国王を見付けた先は謁見の間、重臣二人と妃、そして姫を集め、王宮兵の隊長との一隊が扉の前を張っている。



「いやいや、封印より命が欲しいか。王族の人よ」


王宮兵に阻まれ、王座に腰を掛ける姿が遠目にしか見えないが、不適な笑いを浮かべると行動停止魔法を唱えて動きを封じると、王宮兵の間を抜けて王の前に立ちはだかった。


「我が名はジスネーアの意志を継ぎしカリスと申す」
「ジスネーア…。世界の四賢者で魔法の智に長けた者。やはり、第一の封印は解かれたのだな」

「魔の進攻が思ったより速くてな。第三もいずれ堕ちる。第四は一から三を解除しなければ条件を満たさないためにまだ時間に余裕がある。我等に封印を渡せ、そうすれば世界に崩壊はない」
「そう…か。なればこれを…」



シルバーのネックレスが国王の首から外された。それを姫の首に掛け、姫をカルスの方に背中を軽く押して寄せた。


「娘の事もよろしく頼みたい。世界の破滅を免れてもこの国はもう助からぬ。魔物どもの狙いは、封穴の解除だけではない」

「………、待て。そいつらが蘇るのも封印を守るとはいえ困る。仕方がないが他の悪魔が来る前に封印を解かせていただく」




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