魔法使い〜大地が堕ちる刻〜
悪魔が目覚めた魔力に賢者たる三人は城の上空を見上げる。魔物ですらその溢れ出る憎悪と怨恨の魔力に圧倒され、恐怖を痛感している。その姿は怪物…。


「悪魔がここに封印されていたか。奴らの狙い、封印の解除だけではなかったということか」



身体をくねらせてジャルシーオは全魔力を解放し、角が長く突き出、筋肉が圧縮されて退廷の武器は食い込むことすらしないほどだ。


『ふ…っ、今更気付いたがあの人間(クズ)の血を引いているとはな。ムカつくほど面影が似ておるわ!』



両手に闇の魔力が集まるのが感じられ、攻撃を読み回避に至る。波動が空を裂き、城の上部に直撃して崩れ落ちる。


「上位ですら歯が立ちそうにないな(俺以外の魔法使いだけど。俺でぎりぎりか、解印(ゲイン)してかたをつけた方が一瞬にして済みそうだな)」


聖書をジャルシーオに向け、杖を力強く振るった。巨大な光の球が発せられ、ジャルシーオはどす黒い魔力を片手に集結させて、渦を巻いて光の球を吸い込むように消滅させた。



『クズもクズなりにやるか』
「そう簡単に死にたくはないんでね。次の一撃で消えてくれ」



焔の鎧を纏い全方位燃え盛る。意識を悪魔に集中し、移動と同時に焔の型を作り替え、火の鳥がジャルシーオに襲い掛かる。ジャルシーオは手を口のように構えて全魔力を極限まで圧縮して、一気に弾き飛ばす。



カリスの身体が宙を墜ちるが、飛行能力に意識を集中させて地にたたき付けられる前に空に留まった。



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