魔法使い〜大地が堕ちる刻〜
『しぶといな、クズは。一瞬にして消えろ』


夜がもう訪れたのか?いや、一定空間から光が奪われ、そうみえる空間ができただけだ。だが、その空間から外にでることはできない。

闇の力がカリスの魔力を吸い出し、見る間に疲労が溜まる。ここで朽ちぬには、与えられる圧力に耐える精神力しかない。

その合間にジャルシーオは練り込まれる魔力に唱えし詞を能え、空間の中を対象に積層型立体魔法陣が組み込まれた。餓鬼か、空間内を飛び回る不明な物体が数知れず。襲撃する軌道をよみつつも、思考に身体がついてこない。外から入ることも許されず、賢者の一人が助けに入ろうとしたが無駄であった。






「王様、ジスネーア様が」
「賢者ですら倒せないとは…。もはやこの国、いや世界は…」



絶望感漂う城の謁見の間で、冷たい表情の男が動き出した。その国に仕えている魔法使い『魔宮』の凰団将である地位に立つ、部下から尊敬されし者。魔法能力が一回りも長けているが、実質周りにレベルを合わせている。本気はどれぐらいか未だ謎の者である。名をセイル・リーズベイと云うが知れたほどの有名ではない。


「死する時まで諦めるな。そう教えを説かなかったのか?」



王に意見をするほど無礼な態度は、今という状況を覆す力を示しており、彼は深く帽子を被り素っ気なくその場を移動した。





外に出ると、肉体(霊体の生命)を喰われ、身体には意識が通ってないのか、虚ろな眼をしているカリスが餓鬼に弄ばれている。ジャルシーオはそれをみながらも餓鬼に急かしている。封印の解除を思いだしたからであろう。


三人の賢者は残り少数の魔物を生き残っている騎士団に任せ、ジャルシーオに攻撃を謀る。術者を攻撃すれば集中が散り、結界が解けるとふんだのだろう。

攻撃をしてくる気配がないために、今ある最大魔法の執行を試みる。


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