ヒマワリの嘘



「ふぅ」



やっと抜け出せた


地獄から。




──────Prrrr..



私はジャケットのポケットから携帯を取り出し、ディスプレイを確認する。



"辰也さん"




「もしもし」



何の迷いもなく、親指で緑の通話ボタンをタッチした。




「タクシーを向かわせておいたからそれに乗って向かっておいで

住所はメールで送っとくよ」

「はい、ありがとうございます」




──────p-p-..




学校なんていつ振りかな。


確か中学の時はあんまり行ってなかったみたいだから、
2、3年振りかな?


どんな所だっけ。


楽しいんだっけ?





私ってば、その頃の




「記憶ないんだった」





< 3 / 8 >

この作品をシェア

pagetop