淡花色
あの骨董屋はどこが僕の知らない世界に続いていたのかもしれないと思う。僕が不思議な体験にとりつかれだしたのはあの骨董屋に足を踏みいれてからだった。

僕が彼女と出会うことになった骨董屋に入ったのは6月の蒸し暑い日だった。
これが僕にとって初めて経験した不思議な出来事

その日も朝からしとしとと雨が降り続いていてなんとなく空気が重く感じたのを覚えている。

その骨董屋の前には赤や紫の紫陽花が鮮やかに咲いていた。

骨董屋なんて入ったこともない僕がなぜその骨董屋に入ろうとしたのか今でもわからない。

初めて踏み入れた骨董屋の中はひんやりとしていて少しカビくさかった。
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