淡花色
淡橙色

金木犀

あの猿達が神社の欄間に帰ってから約1ヶ月―

街のあちこちで金木犀の小さな花が咲き、甘い香りがただよってくるようになった。

僕はまた骨董品屋に行くこともなく、毎日大学と下宿とを行き来していた。

今日は近くの小学校でフリーマーケットがあるらしい。
僕は骨董品屋ではないから部屋の隅にかかっている白い絵のようなものに出会わないだろうと思い小学校へ出掛けた。
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