淡花色
振り向くと女の子が立っていた。

「お願い、その絵を持って行かないで。その絵はお姉ちゃんに大切なの…」

骨董屋の中ではあんなに強気だった女の子が下を向きなんだか涙をこらえているようだった。

「君を泣かせるつもりじゃないよ。これは君にあげるつもりで買ったんだ。」

そう僕がいうと下を向いていた女の子がぱっと上を向いた。

「ほんと?」
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