君と俺のパンドラ
タイトル未編集

運命のはじまり

「5年後、2人でこのパンドラの箱を開けようね。」
「うん!約束!」
そう交わしたのをあなたは覚えてますか?
今、私はその箱を開けようとしています。あなたと2人では叶わなかったけどね。
私の大好きな人は5年前、親の仕事の都合で引っ越しました。だからこの秘密の箱を2人で埋めました。2人で見ると約束して…
「ん?手紙?そっかー、手紙か。」
携帯なんかなかったもんね。


梨愛へ
この手紙を読んでいるという事は、無事に5年間過ごせたという事だね。
ごめんね。急に引っ越して…
梨愛には本当のこと、言ってなかったね。俺ね、病気なんだ。でも、アメリカ行けば治るんだって。だから、ごめんね。出来ることなら梨愛の隣にずっといたかった。俺が幸せにしてやりたいってずっと思ってた。でも、梨愛は俺が病気でも、偏見なしに接してくれるって信じてたけど、俺がやだったんだ。ちゃんと治して会いに行きます。待っててね、梨愛。

「うー…ひっ…く…うー…
そんなの聞いてないよー。翔のばかー!!」
「うん。ごめんね。梨愛。」
「え…。」
「ただいま」
「翔?」
「うん」
「おかえりー!!うー…。ずっと会いたかったよー」
「俺も。てかサプライズなんだから笑ってよ」
「うん。ごめん」
「梨愛、」
「ん?」
「俺と、結婚して下さい。」
「え…。」
「ずっと前から好きでした。」
「…」
「…なんか言ってよ」
「本当?本気?」
「うん。大好き。梨愛は?」
「……すき……」
「聞こえませーん」
「だから……大好き!!」
「よく出来ました。」
その瞬間、2つの影が重なった。
ありがとう。大好きだよ。

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