その花を咲かせて
教室
「瑞月、おはよ」
教室に入ると親友の莉花が話しかけてきた。
「おはよー!」
莉花とは高校で知り合って、なにかと馬が会うんだ。
美人さんなのに飾ってなくて、話しやすい、いちばんの仲良しだ。
「朝からみせつけちゃってくれるねぇー」
莉花はからかうように目を細めた
「そんなんじゃないよ」
自分の席についてあわてて否定する
「毎日一緒に学校くるのに?」
「別に付き合ってるわけじゃないし、ただ家が近かっただけの幼なじみだよ」
自分で言っておいてけっこうヘコむな...
心のなかでうなだれていると、そんな私をみこしてか莉花は柔らかく微笑んだ
「まぁ、王子は瑞月だけって感じするけどね」
私はぼんやりと話を聞きながら莉花に見とれてしまっていた。
やっぱり莉花は綺麗だなぁ...
同じ女の子だと思えないくらい莉花の周りがキラキラしてる。
「はぁ〜...私も莉花みたいに可愛くなりたいなぁー」
「なに言ってんの、瑞月こそ美少女じゃん」
莉花は呆れたようにこっちをみる
私なんて地味で平凡な女子高生だ。
「お世辞でもこんなこと言ってくれるの莉花だけだよぉ〜」
そう言ってうなだれる
莉花が苦笑したところで授業の始まりを告げるチャイムが学校中に響き渡った。
もっと可愛くなったら大翔は振り向いてくれるのかな?
私はひとりそんなことをおもっていた