その花を咲かせて

夕日




「はぁー、つまんないなぁ」


だれもいなくなった教室でひとりため息をつく。



放課後になるとすぐ、莉花は今日は彼氏とデートの日って足早に教室を去ってしまった

大翔は帰宅部だけど委員会で遅くなるっていったしなぁ。。。

他の友だちは部活で忙しそうだしー



こんなとき帰宅部はさみしいよ...。。

だからってひとりで帰るのもなんかやだし。

帰ってもやることないよぉー



結局暇な私はひとり残ってしまっていた。


窓の外からは運動部の元気な声が五月の心地いい風に乗って聞こえてくる

教室には真っ赤な夕日が射し込んできてて、なんだかそれが切なくて
私は机に突っ伏した。



大翔に会いたいな



クラス違うから学校ではあんまり会えないし

いつも帰りは別の日が多いからきっと先に帰っちゃうだろう

まぁ、付き合ってないから当たり前だけどね




「大翔」




小さく呼んだ大好きな名前


当然返事は返ってこなくて、余計さみしくなる。

私はうなだれながらずっと大翔のことを考えていた




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