その花を咲かせて

相談




「あれ、瑞月ちゃん?」

「わっ!」



後ろから声がして振り返ると、声の主は大翔の親友、燈路君だった。


「ごめん、驚かせちゃった?」

「ううん。ぼーっとしてただけから」

「それならよかった」


燈路君が微笑む


燈路君とは高校からの友だちで、大翔を通じて知り合った。

長身で、サラサラな黒髪に真面目そうな整った顔。

いつもクールで大人っぽい。

大翔とはタイプが違うけど、妙に気が合うみたいだ



「ところで...」

「???」

「時間、大丈夫なの?もう下校時刻まわってるよ」

そう言われてもうあたりが暗くなり始めてることに気づく


「あ!もうこんな時間!」



慌てて教室をでて、燈路君と帰路につく。


そういえば燈路君と二人で歩くの初めてだなー、とぼんやり思う。


大翔と3人でならあるけどね

私、大翔のことばかり考えてる。重症だなぁ





「ひとりでなにしてたの?」


燈路君に不思議そうに尋ねられて、ちょっと動揺しながら答える


「ちょ、ちょっと考えごとしてたんだ」

さすがに大翔のこと考えてた、とは言えないし。。。


「...それって、大翔のこと?」

聞きながら燈路君がニヤニヤしている


「えっ!な、なんで分かったの?」

カァァッと顔が熱くなる


「教室で顔がにやけてたから」

「うそっ!恥ずかしい」

慌てて顔を手で覆う


「大翔のこと、好きだろ」

バレバレ、とでも言うように燈路君が苦笑する


「うん...。。」

でも、どうせ叶わない恋だし

そう思ったら自然に俯いていた


「...俺でよかったら相談のろうか?」

燈路君の提案にびっくりする

「大翔と一緒にいる年数は瑞月ちゃんには勝てないけど、大翔のこと大事な奴って思ってるから。」

「え、でも、いいの?」

いつも大翔と一緒にいる燈路君が相談相手だったら心強いけど

「いいの、いいの!こっちからしたら焦れったいし」

「ありがとう!じゃあお言葉に甘えて」




こうして私は燈路君に恋の相談をすることになったのだった


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