壬生狼のお嫁さん!?
ーーガラガラ

「明石屋(あかしや)さん、居りますか?」


「あぁ、居るよ。おや?今日は結月さんの兄弟も一緒か。見ないうちに立派になったねぇ…髪塗りの薬だね。ちょっと待ってて」


いつもうちが使用している髪塗りの薬はこの明石屋の若旦那さんから仕入れている。25歳で明石屋を継いだ美男子。という噂から普段の客の殆どは女性が多い。


「はい、お待たせ。いつもお世話になってるから2袋オマケって事で」


「良いんですか…?お世話になってるのはこっちなのに」


「良いんだよ、結月さんまたいらして」


「ではまた来ますね」


ーガラガラピシャン

「なぁ姉上」

「何さ」

「あの男、絶対に姉上の事好いてるって」


《…ブフッ!!!》

この馬鹿タレめ、明石屋を出るなり何を言い出すかと思えば…

「ばーか言ってんじゃないわよアタシには勿体なさすぎるわ」


「姉上、私も明石屋さんの顔を見ていたら何となく。この方姉上が気になっているんだな…と分かりました」



「2人してもう…この話は隅に置いといて早く帰るわよ」

心の中では少しだけ焦ってた、去年亡くなったおばぁちゃんからは早いうちに嫁に行きなさいと言われていた。
でもまだ10代だし、焦る必要は微塵も無いんだ。









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