強引社長といきなり政略結婚!?
「朝比奈様、紅茶をお入れしましたのでどうぞ」
多恵さんがテーブルにカップを三つ並べる。
「ありがとうございます」
朝比奈さんは多恵さんに丁寧にお礼を言うと、私の隣に腰を下ろした。
「どう? まだ痛い?」
すぐさま私を気遣う。
「大丈夫です。痛みは随分と引きました」
「そっか。ほんとよかった」
軽く息を吐き、「いただきます」と紅茶に口を付ける。
「――ん! おいしいですね、多恵さん。いい香りだ」
彼がパッと顔を輝かせる。
「これはなんていう紅茶ですか?」