強引社長といきなり政略結婚!?
でも、孝志おじさんが一緒なのはどうしてなんだろう。
「ちょっと顔出してくるね」
マフラーを外し、コートも脱いで腕にかける。
リビングのドアを開けて顔を出すと、ほんの数時間前に木陰で再会したばかりの浩輔くんが「どうもー」と歌うように言いながら手をひらひらと振った。
その隣では、孝志おじさんがにこやかな表情で座っている。
振り返った父と母の顔は、なぜだか曇っていた。
「どうしたの?」
回り込んで母の隣に座る。
「大事な話があって来たんだ」
浩輔くんが嬉しそうに満面の笑みで答える。
「大事な話?」
いったいなんだろう。
「あ、もしかして結婚するの? 幼馴染のよしみで報告に来てくれたとか?」