強引社長といきなり政略結婚!?

「孝志、コンラッド開発はな――」

「ちょっと兄さんは黙っていて。今、汐里に説明するから」


おじさんは父を手で制した。今日の彼は、なんだかとっても嫌な感じだ。
会社を動かしているのは、確かにおじさんかもしれない。でも、ここまで高圧的な態度をしているのは初めて見た気がする。


「汐里、西野くんの父上がホテルを経営しているのは知っているな?」

「もちろん、知ってるよ」


今でこそ関西に拠点を移しているものの、関東でも【ホテルアーロン】は一流で名高い。両親とも経営に携わって忙しいこともあって、浩輔くんはよくうちで一緒に遊んだのだ。


「来年、そのホテルの代表権を西野くんが継ぐことになったそうだ。それで、うちのゴルフ場と合わせて大きなリゾート地を開発する予定だそうだ」


おじさんは、両手を広げて“大きな”という部分を強調した。


「それと浩輔くんと私の結婚とどう関係が?」

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