強引社長といきなり政略結婚!?
「西野くんはね、藤沢ゴルフ倶楽部を朝比奈社長よりも好条件で引き受けたいと申し出てくれているんです」
「孝志!」
立ち上がった父のことも、おじさんは私同様に手で制する。
朝比奈さんは目を丸くして父を見て、それから私を見た。
「それから、汐里との結婚も」
突然、浩輔くんが手を伸ばして私を引き寄せたものだから、よろける格好で彼の胸にぶつかる。
「ちょ、ちょっと!」
力任せに浩輔くんを手で押しのけた。
朝比奈さんの隣へと逃げる。朝比奈さんは私をかばうように腕を伸ばしてくれた。
「気の強さは相変わらずだね、汐里」
なぜか嬉しそうに浩輔くんが笑う。
「でも、もっと仲良くやろうよ。お互い、ファーストキスを交わした仲じゃないか」
「――なっ!」