強引社長といきなり政略結婚!?
ものすごい勢いでここにやってきた感じだったけど。
「嬉しい知らせを持ってきたんだ」
父はそう言って満面の笑みを浮かべた。
リビングへと移動した私たちは、母も含めた四人でテーブルを囲んでいた。
「ようやく孝志から承諾の返事をもらったよ」
父は大きく吸った息を吐き出すようにして言った。その顔には安堵と喜びが入り混じっている。
「専務が条件を飲んでくださったんですか?」
私の隣に座る一成さんが、ソファで身を乗り出す。
「ああ、そうなんだ」
父が大きくうなずいた。
……孝志おじさんが、了承してくれた?
え? ということは、ホテルアーロンとのことは白紙に……?