強引社長といきなり政略結婚!?

慌てて飛び出した時には、そこまで構っていられなかった。


「それなら奪い返したよ」

「……え?」


一成さんがソファを指差す。
するとそこには、浩輔くんに取り上げられた私のバッグが置かれていた。


「……ありがとうございました。……あの、ひとつ聞いてもいいですか?」


一成さんが「なに?」と首を傾げる。


「どうして私があそこにいることがわかったんですか?」

「紛失ケータイ捜索サービスを使って、汐里のスマホのおおよその場所を調べてもらったんだ」

「そんなことができるんですか?」


私が驚くと、一成さんは得意気な顔でうなずいた。
彼によれば、問い合わせ時点のGPS測位か基地局測位で捜索することができるらしい。その場所まで車を走らせ、その付近を探していたところ浩輔くんの車を発見したと。

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