強引社長といきなり政略結婚!?
彼の想いが痛いほど伝わってきて、くすぶっている気持ちから目を逸らしたくなる。
私たちは、本当にこのまま一緒にいていいの……?
小さな迷いに囚われながら一成さんの腕の中に収まっていると、ふと一成さんが「ん?」と言いながら私を引き離した。
「汐里、熱っぽくないか?」
彼が私の額に触れる。
「シャワーを浴びたばかりだから」
私が発熱なんてありえない。
「いや、その割にはちょっと高いな」
一成さんが突然私を抱き上げたものだから「ひゃっ!」なんて声が出た。
「とりあえず俺の部屋で休もう」
私をお姫様抱っこしたまま階段を上がっていく。彼が器用にドアを開けて中へ入ると、綺麗にベッドメイクされたところへ下ろされた。