強引社長といきなり政略結婚!?
「そうですか?」
「まぁ、普段強気な汐里がたまに弱ってるのもそそるけどね」
――そそるって!
顔が熱くなるのは発熱のせいなのか、それとも一成さんのセリフのせいなのか。
彼は照れる私を見て目を細めた。
「今夜はここに泊めるって、藤沢社長に連絡はしておいたから。それから多恵さんにも心配しないようにって」
「ありがとうございます」
「明日の朝、家まで送って行くよ。少し眠ったほうがいい」
一成さんは私の頭を撫で、明かりを消して部屋から出て行った。