強引社長といきなり政略結婚!?
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その夜から、私はなんと三日間にも亘って熱を出し続けた。
一成さんの自宅に泊まった夜は、真紀さんの代わりに彼が作ってくれたきのこ雑炊を平らげるくらい元気だったのに、翌日の朝、自宅へ送り届けてもらった時には三十九度を超すほど体温が上昇。救急車を呼ぼうとする多恵さんを宥めるのが大変だったらしい。
洗濯乾燥して、一成さんの手で綺麗に畳まれた私の洋服を見て、多恵さんは「なんて素敵な旦那様なんでしょう」と先走ったことまで言い出した。
結婚はかなり遠のいたところまできてしまっているのに。
一成さんはあれからおじい様の病院と会社だけでなく、私の家まで立ち寄らなければならなかった。ただでさえ忙しいから来なくてもいいとは言ったものの、顔を見るだけだからと聞く耳を持ってくれない。
嬉しいというより申し訳ない気持ちが先行してしまうのは、おじい様のことがあるからだろう。
私は、一成さんに負担になることばかりしでかしている。
そして四日目の今日。
朝、目が覚めた時から体の軽さが違う。
ベッドから起き上がって伸びをしていると、多恵さんがちょうど部屋に入ってきた。
「汐里様、起き上がって大丈夫でございますか?」