強引社長といきなり政略結婚!?

「わしが出席しなくてどうする」


自分が主役なのにとでも言いたそうな口調だった。


「今どきの病院は、そうそう長く置いてはくれん。あと五日もすれば追い出されるじゃろう」


心臓を手術したのに?
今だって、ちょっと笑ったくらいで胸を抑えるほど痛がるのに?

口をぽかんと開けておじい様を見つめる。


「それくらい元気ってことだよ。だから汐里は心配しなくていい」


一成さんは私の肩をトントンと叩いた。
元気ならそれに越したことはないけれど。
急な展開の連続に、なんだか置いてきぼりをされた感じだった。

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