強引社長といきなり政略結婚!?

「インタビュー? それはどれくらいかかるんだ」


一成さんが顔をしかめて大泉さんを見る。不機嫌度合がさらに増したようだ。


「そうですね……おふたりの受け答えにもよりますが、だいたい一時間くらいでしょうか」

「一時間!? ……いや、十分で済ませよう」


のらりくらりと答える大泉さんに、一成さんは無茶なことを言い放った。よほど取材が嫌いみたいだ。
せっかくこんなところまで来たのだから、さすがに十分では済まないだろう。


「そんなことをおっしゃらないでください。なるべく手短に済ませますから」


大泉さんはバッグをごそごそと漁りICレコーダーを取り出して目の前のテーブルにセッティングし、さらにクリアファイルと手帳も取り出した。


「えーっと、まずはふたりの馴れ初めからいきましょう。おふたりはどちらで出会ったんですか?」

「どこでもいいだろう」


一成さんがばっさりと切り捨てるように返す。

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