強引社長といきなり政略結婚!?

次の瞬間、「なにするんですか!」と彼の胸をドンと押しやった。


「そう、それそれ」


なぜだか嬉しそうに彼が笑う。


「バカにしないでください!」


両手で拳を握って胸の前で強く振る。そうでもしないと、鬱積したモヤモヤの発散場所がない。


「バカにしてるつもりはないよ」

「それじゃ、今のはなんですか?」

「だから、おやすみのキス。お互いを知るにはスキンシップが一番手っ取り早い。足りない?」


再び近づいてきた彼の顔を、今度ばかりは両手で阻止した。


「結構です!」

「そう? それは残念。じゃ、次回の楽しみにとっておこう」


あっけらかんと彼が言う。

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