【短ホラー】ドウソウカイ。
入ってきたのは、四十代くらいの男だった。


中肉中背のその男は、カーキ色の作業服のようなものを着て、手には黄色いタオルケットを持っている。



「おうちに、帰ろうか?」


男はボソリとそう言って、椅子に座る骸骨に近付いた。


彼女の頭を撫でる。


そのまま背中に手を回して、その体をタオルケットで包み込んだ。


そしてなんと、彼女をそっと抱き上げ、キュッと抱きしめたんだ。


とても、愛しげに。



キシ……

その様子に驚いたあたしは、身動ぎをして木の杭をきしませてしまった。



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