【短ホラー】ドウソウカイ。
「…藤崎…先生……」
ほとんど息のような声で発するその名前は、六年ぶりのものだった。
三年三組、あたしたちの担任だった教師。
傲慢で暴力的だった藤崎先生をあたしたちは嫌い、反抗ばかりしていた。
ただ、あの時だけはみな素直に従ったんだ……。
その先生が今、あたしの横で死んでいる。
お化け屋敷の人形たちに紛れて……。
いや、違うな。
ここの住人は人形ではなくみんな、あたしの友達じゃないか。