雲の国の話
「そんなのやだよ!」
あたしは先生の手を振りほどこうとした
それでも先生はあたしの手を離そうとはしてくれない
「先生がいない世界なんてやだよ!
ずっと雲の国で暮らしてる!」
あたしは大きな声で先生に訴えた
しかし
よーく先生の方を見てみる
「………うっ…うぅぅ……」
涙を流していた
「……先生?」
何を言ってもぶっきらぼうだった先生が
泣いてるなんて…
先生らしくないよ
でもなんでこんなに
嬉しいんだろう
「……先生…」
あたしも先生を抱きしめる