言葉は世界を救う!?
「全部、野本さんから話は聞いたよ。」
いつものように私と青葉は椅子に座り向かい合う。
「‥ごめん青葉。私、動くなていう指示を無視しちゃった。花梨を見た瞬間、いてもたってもいられなくなっちゃって‥。本当にごめん。」
私は頭を下げる。
「よく頑張ったね律花。」
「えっ!?」
怒られると思ってたのまさか、労いの言葉をかけられるとは思わなかったのだ。
「友達のために、わざわざ助けに行くなんてすごいよ。自分のことよりも他人を優先するなんてやっぱすごい。怪我しててもね。」
「青葉‥。」
「それに、野本さんのことだけど。全部、話してくれた。律のこと。律まで巻き込まれてほしくなかったんだって。だから、律がいじめられないように、わざと嫌われるようなことを言ったて。」
「‥‥‥‥‥。」
私の目からは涙が溢れて止まらなくなる。
「野本さんは賢い人だから、律が嘘ついたのも、圧力をかけられただからだろうて。そこまでわかってたよ野本さんは。それだけじゃない。一緒に戦うて言って嬉しかったて。あれだけ、嫌われるようなことを言ったのに見捨てないでくれてありがとう。て言ってたよ。」
「‥っ‥‥!」
嗚咽がもれないように鼻を手でおさえる。
「律花。」
そう言うと青葉は私の側に立ち私を抱きしめた。
「泣きたいときは思いっきり泣きなよ。誰にも言わない。だから、泣こう?」
「青葉‥」
その言葉を皮切りに私は久しぶりに大声をあげて泣いた。
その間もずっと私を抱きしめてくれた青葉。
きっと泣き顔を見えないようにするための青葉なりの配慮。
ありがたかったけど、そのおかげで青葉の制服は涙と鼻水まみれになってしまい、それはそれで申し訳なくなった。
その日、私と青葉は一緒に帰った。
まだ、赤く鼻や目が腫れてたけども私はすっきりしていた。
「律花、ごめんな。」
青葉が言ったのはそんなときだった。
「なんで、青葉が謝るの?だって青葉、助けてくれたじゃない。」
「ううん。もっと早くにわかってれば、律花も怪我しなくてすんだのにて思って。」
「わかってればて何が?」
私は青葉が何を言いたいのか分からなかった。