言葉は世界を救う!?
「いじめのこと。律が右手首の怪我と、帰る間際に泣いてたことを報告してくれた時にいじめじゃないかなて思ったんだ。だけど、その瞬間をなかなか見ることができなくて。だから、動いてもいいとは言えなかったんだ。いじめと断定するのは早すぎるし‥。」
「青葉はいろいろなことを考えてるんだね。」
「うん。悩みを解決してあげたいからね。」
「いろいろありがとうね青葉。」
私は青葉の目を見てお礼を言った。
「どういたしまして。俺がお手伝いできるのはここまでだよ。あとは、律次第だよ。」
「うん。わかった。」
これで、相談が終わってしまうのはなんか、寂しい気がした。
数日後。
私は花梨と廊下で会い、屋上で話すことになった。
「助けてくれてありがとうね。」
「ううん。友達だから。」
あれから女子3人は退学となった。
「筒井くんからは全部、聞いたの?」
「うん。聞いた。」
私と花梨の話はまだぎこちない。
「そっか。‥ごめんね。結局、巻き込んじゃって。本当に私は怒ってないよ。律が裏切ったこと。私から離れて正解だとも思うしね。‥それに、ひどいこと言ってごめんね。友達なんかじゃないって。あんなの嘘。今でも友達だと思ってるよ。だから‥」
そう言うと花梨は私に頭を下げて言った。
「もう一度、私と友達になってください。」
私の答えはすでに決まっていた。
「当たり前だよ。私達は入学してからずっと友達じゃない。」
「律花‥ありがとう‥。」
花梨の目からは一粒の涙がこぼれ落ちた。
それを見て私も泣きそうになるが頑張ってこらえる。
「また、どこかに遊びに行こうよ!」
「うん!!」
私と花梨はもう一度やり直すことにした。
「‥ていうことがあったんだよ!!」
私は南校舎の相談部がある教室で部長である青葉に報告をしていた。
「元通りになってよかったね。」
「うん!これも全部、青葉のおかげだよ!本当にありがとう!」
「ううん。俺のおかげじゃない。律が頑張ったからだよ。ところで、怪我の方は?」
青葉が私の左腕を見た。
「これ?かさぶたができて、もうかゆいぐらいだよ。」
「そっか‥」
「青葉。青葉が責任を感じることなんてないんだからね?私が勝手にやったことだし、自業自得な部分もあるだから気にしないでね?」
「フッ‥ありがとう律花。でも、次からは無理したら駄目だからね。」
「はーい!」
そう言って私は部室を後にしようとしたが、教室を出る前に私は青葉の方を振り向く。
「ねぇ、青葉。部員て‥まだ、募集してる?」
「えっ!?う‥うん。そうだけど‥。」
「じゃあ私、入部してもいいかな?私も‥誰かのためになることをしたいから‥。」
すると青葉は目を輝かせて言った。
「本当に!?本当に入部してくれるの!?律なら心強いよ!!一緒に頑張ろうな。」
青葉は本当に嬉しそうに私の手をぶんぶんふりながら言った。
「これからもよろしくね青葉。」
「こちらこそよろしく律花。」
私と青葉は力強く握手をかわした。
私と青葉ならどんな悩みも解決できそうな気がした。