言葉は世界を救う!?
ある日の放課後。私は1人、昇降口へと向かっていた。
あの青葉と明日翔の出来事以来、相変わらず青葉から連絡は来なかった。
それだけでなく、腐女子の中では青葉と明日翔のことが話題になっていた。
確かに‥考えただけでも‥ドキドキするけど‥
そんなことを考えていると、昇降口から見える体育館倉庫に誰かが入っていくのが見えた。
確かあれは‥花梨?
私はいても立ってもいられずに体育館倉庫に向かった。
この時、私は青葉の「動くな。」という忠告をすっかり忘れていた。
体育館倉庫に向かうと、花梨と女子3人がいた。
見ると、1人が花梨に水をかけていた。
私は思わず、体育館倉庫のドアを開けていた。
「やめなよ!!!」
みんなが一斉に私の方を見る。
「律花‥なんで‥。」
花梨がつぶやく。
「誰かと思ったら、同じクラスの南さんじゃない。どうしたの?私たちに何か用?」
「花梨を返して。私の大事な友達なの。」
「へぇー。友達ねー。」
そう言うと1人が私に近づき私の胸ぐらを掴んだ。
「逃げた奴が何、言ってんの?もう、花梨もあんな奴友達じゃないってさ。‥それに、私たち去年忠告したよね?花梨に近づいたら、お前もただじゃおかないって。そのこと忘れた?」
「さぁ?そんなこと言ってたかしら?」
パン!!!
そう言った瞬間に、私は頬をたたかれた。
「‥どっちにしても、私は‥逃げないから。一緒に戦うて決めたんだから!!」
私は言ってやった。
こんなの私の自己満足でしかないかもしれない。
だけど、もう大切な友達を犠牲にしてまで見捨てたくない。
動かなければ何も変わらないんだ。
だから、私が変える。変えてやるんだ。
‥でも、暴力は駄目。だったら‥
「ねぇ、花梨を開放してくれない?開放してくれたら、私を代わりにいじめてもいいよ?」
「ちょっ‥!何、言って!」
花梨が何か言うが、1人がその言葉をさえぎる。
「悪いけど。花梨しかいじめたくないの。私たちは。でも、まぁ2人まとめて、いじめるのは悪くないかもね。」
あとの2人が花梨から離れるのが見えた。
今だ!
私は前にいた1人の間をすり抜け、花梨の元へ行く。
「ちょっと、何するつもり?」
花梨がたずねる。
「脱出するよ。」
‥言ったものの、相手は3人。脱出するのは難しそうだが、強行突破なら行けそうだ。