言葉は世界を救う!?


「あなた、ここから脱出するつもり?それは無理よ。だって私たちがここにいるから。」


そう言って3人が入口に立つ。


だったら‥‥



「あのさ‥さっきから言おうと思ってたんだけど‥スカートのチャック開いてるよ。きれいなレースの下着が見えてるんだけど。」


「えっ!?嘘っ!?」


3人が一斉にスカートを見た。



これを見た私は花梨の左手を掴み、出口に向かった。


下を向いていた3人は反応が送れ、捕まえることが出来なかった。



‥が、出口を出る間際、私の左腕に痛みが走った。見ると、制服が切られ血が出ていた。


私は構わず、花梨の手を掴み南校舎に走った。


青葉なら、まだあの教室にいると思って。














「青葉!!!」


私と花梨は全力で走り、南校舎の相談部の部室になだれ込んだ。



「律!?どうした?何かあったか?」


やっぱり、青葉はいた。


安心と息切れとで言葉がなかなか発せられなかった。ただ、切られた傷口からは血が流れる。



「律‥その怪我‥」


そう言って、私の元へかけよる。


「相談部の部長なら、助けてよ!私のことはいいから花梨を助けてあげて!!!」


最後は私の心の叫びだった。


一刻も早く花梨の心を手当てしてほしかった。


ただ、それだけだ。


私は安心からなのか貧血だからなのか、だんだん意識が遠のくのを感じた。


私は誰かの腕の中で支えられる。


それに‥誰かの声も‥聞こえた気がした。














気がつくと、天井が広がっていた。



「‥ここは?どこ?」



「気がついた?」



まだ、ぼんやりするまま声のした方を見るとそこには青葉がいた。


「青葉‥。」


「ここは、保健室だよ。倒れたから運んできたんだ。怪我もたいしたことないよ。ただのかすり傷だって。まぁ、はさみかカッターで切られたみたいだけどね‥。」


そこまで聞いて、私は思い出した。



「そう言えば花梨は!?」



勢いよくはねあがったが、左腕に痛みがはしる。


「怪我したばかりなんだから、大人しくしてなよ。」


そう言って再び私はベッドに寝かされた。



「安心して。野本さんは事情が事情なだけに今、職員室で話をしてるから。」



「そっか‥。」



「律、起きれる?部室の方に行こうか。」



「うん。」


私は青葉が差し出した手をとりながら起き上がり、ゆっくりと部室へと向かった。




< 9 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop