言葉は世界を救う!?
「あなた、ここから脱出するつもり?それは無理よ。だって私たちがここにいるから。」
そう言って3人が入口に立つ。
だったら‥‥
「あのさ‥さっきから言おうと思ってたんだけど‥スカートのチャック開いてるよ。きれいなレースの下着が見えてるんだけど。」
「えっ!?嘘っ!?」
3人が一斉にスカートを見た。
これを見た私は花梨の左手を掴み、出口に向かった。
下を向いていた3人は反応が送れ、捕まえることが出来なかった。
‥が、出口を出る間際、私の左腕に痛みが走った。見ると、制服が切られ血が出ていた。
私は構わず、花梨の手を掴み南校舎に走った。
青葉なら、まだあの教室にいると思って。
「青葉!!!」
私と花梨は全力で走り、南校舎の相談部の部室になだれ込んだ。
「律!?どうした?何かあったか?」
やっぱり、青葉はいた。
安心と息切れとで言葉がなかなか発せられなかった。ただ、切られた傷口からは血が流れる。
「律‥その怪我‥」
そう言って、私の元へかけよる。
「相談部の部長なら、助けてよ!私のことはいいから花梨を助けてあげて!!!」
最後は私の心の叫びだった。
一刻も早く花梨の心を手当てしてほしかった。
ただ、それだけだ。
私は安心からなのか貧血だからなのか、だんだん意識が遠のくのを感じた。
私は誰かの腕の中で支えられる。
それに‥誰かの声も‥聞こえた気がした。
気がつくと、天井が広がっていた。
「‥ここは?どこ?」
「気がついた?」
まだ、ぼんやりするまま声のした方を見るとそこには青葉がいた。
「青葉‥。」
「ここは、保健室だよ。倒れたから運んできたんだ。怪我もたいしたことないよ。ただのかすり傷だって。まぁ、はさみかカッターで切られたみたいだけどね‥。」
そこまで聞いて、私は思い出した。
「そう言えば花梨は!?」
勢いよくはねあがったが、左腕に痛みがはしる。
「怪我したばかりなんだから、大人しくしてなよ。」
そう言って再び私はベッドに寝かされた。
「安心して。野本さんは事情が事情なだけに今、職員室で話をしてるから。」
「そっか‥。」
「律、起きれる?部室の方に行こうか。」
「うん。」
私は青葉が差し出した手をとりながら起き上がり、ゆっくりと部室へと向かった。