八天王とわたし
「こんの、くそ親父‼」
〈バキィッ〉
強烈な音と共に、お父さんは床に倒れこむ
「鈴菜!くそッ」
お兄ちゃんはポケットから呼吸器を取り出し私の口に当てる
これは仮病なの?
こんなにくるしいのに?
「ダメだ。おい、屋上へはどういけばいい!」
「そこの突き当たりの階段を上ったら」
「行ってどうするんだよ」
「涼しいところにいたら少し治まる
ここは、嫌ってほどきたねえからな」
そう言い残し、屋上に向かって走り出す
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