八天王とわたし
周りが驚いてるのはわかってたことだけど
「あ、あの」
どうしよう、離れずらい……
でも、離れないと
「ご、ごめんなさ…」
とっさに離れようとしたら
「わっ」
春くんの腕に捕まり、また腕の中に戻ってしまう
「このまま」
ドキッ
思わずその声に胸が鳴る
ち、近いっ
「移動するぞ」
グイッ
「きゃっ」
ザワッ
「鈴菜!」
これって……
「ん?姫抱っこは、はじめてか?」
お、お姫様だっこ!?
私の慌てた様子に春くんの骨格が上がる
「へえ、はじめてなんだ」
耳元で話しかけられ、くすぐったく感じる
「俺、こいつのこと連れていくから。後は任せた」
「おい、春!」
歩いていこうとする春くんの肩をお兄ちゃんが慌ててつかむ
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