八天王とわたし
「あ?休ませるんだよ」
そう言って手を弾き、歩き出す
裏庭に着くと、持っていたハンカチを水道水で濡らし始める
「ほらよ」
「あ、ありがとう」
素直に受けとると
「ん…」
ドキッ
笑った…
「ほら、何してんだよ」
「あ…」
ハンカチをとられたかと思いきや
「ちゃんと冷やせ」
膝枕され、目にハンカチをのせられる
気持ちいい
「なんで泣いたかは知らねえけど、あんま他のやつらがいるところで泣くな」
えっ、それって……
ハンカチで顔が見えないのが残念だった
何分たったのか私の目の腫れは治まり
、冷たかったハンカチもぬるくなっていた
「あの、ハンカチは新しいのを買うので」
「いい…」
と言って、濡れた方のハンカチを手にとる
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