真夏の恋の物語
第5章 悲劇
彼女がお店を出たあと、学生達が私のところへ来た。

香織「マスター、来週の土曜日にここのお店で加奈子さんの歓迎パーティーするよ。」

朝比奈「えっ?急な話だなあ。」

彼女の名前加奈子って言うんだあ。

急な話ではあったが嬉かった。

そして、パーティーの日がやって来た。

朝から雨が降っていた。梅雨の時期だから雨が降るのは当然のことではある、

夕方、香織たちがお店に来た。私は料理を作っていた。鼻歌が自然と出ていた。

彼女たちは壁に飾りを取り付けていた。

雨は次第に強くなり雷も鳴り出した。

夜7時が過ぎたが彼女は来ない。

典子「加奈子さん、どうしたのかしら。」

香織「う~ん。来ないねぇ。」

私も香織たちも加奈子さんが来ないか窓の外を眺めていた。

外は大雨。雷も鳴り響く

そして8時を回ったとき、電話がかかってきた。

もしかしたら加奈子さんから来れなくなった。と言う電話かもしれない。

私は電話の受話器をとった。

朝比奈「もしもし」

「もしもし、こちら東警察の者ですが喫茶紫陽花のお店で間違いありませんか?」

朝比奈「はい。警察?」

警察官「三浦加奈子と言う方ご存知ですか?」

朝比奈「はい。三浦さんはお店の常連客です。」

警察官「実はですね、三浦さんがひき逃げ事故に遭いまして。」

朝比奈「えっ?三浦さんが?」

その話を聞いていた香織たちがビックリした顔でこっちを見ている。

警察官「彼女は意識不明の重体で今病院で治療中です。ひき逃げした犯人はまだ捕まってないんです。」

ショックの大きさに私は警察官が話をしているほとんどの会話が聞こえていなかった。

電話を切ったあと私は学生たちを車に乗せて加奈子さんが担ぎ込まれた病院へ向かった。

加奈子さんは集中治療室に入っていて面会謝絶の札がかかっていた。

医師から話を聞くことにした。

医師「事故で打ち所が悪く今日が山ですね。」

朝比奈「先生、助かりますよね?」

医師「あとは、彼女の生きよう。と思う気持ちが勝つことを祈るしか。」

私は学生達を家まで送り届け加奈子さんが目を覚ますことを思いながら病院へ戻った。

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