オフィスに彼氏が二人います⁉︎
五時五分前に駅に到着すると、改札近くの柱の前で久我くんが先に待ってくれていた。
「ごめん、待った?」
タタッと駆け足で彼に近寄ると、久我くんはこっちを振り向いて「ああ、今来たとこ」と答える。
お互い、変に意識してる感じは今のところない。
普段通りの雰囲気に、ちょっと安心する。
「じゃあ行くか」
そう言ってさっさと歩き始めようとする彼に、「どこに?」と尋ねる。
久我くんはTシャツにジーンズという、私以上にラフな格好をしていて、改まったデートスポットに行く感じではなかった。
すると、彼は。
「ああ、それなんだけど……俺んち行かないか?」
……家⁉︎?
まさか家に行こうと言われるとは夢にも思っていなくて、思わず固まってしまう。
さらに。
「今日どんなデートにするかいろいろ悩んだんだけど……俺は時山さんみたいに高級で特別感溢れるデートは用意できないなって……。
でも、お前とデートできるこのチャンス内を活かして、ここで時山さんと差をつけなきゃ意味がない。
だから、俺が時山さんに勝てることって何かなってずっと考えてた。
それで思ったんだ。時山さんに勝てることが、一つある。
それを、俺んちで見せるよ。七香、俺のテクを披露させてくれ!」
「テ、テク⁉︎」
な、なにテクって⁉︎ く、久我くん……真昼間の人通りの多いこんな場所でなんでそんな破廉恥な……!
いや、そうじゃなくても『テクを見てくれ』っておかしくない⁉︎
「ごめん、待った?」
タタッと駆け足で彼に近寄ると、久我くんはこっちを振り向いて「ああ、今来たとこ」と答える。
お互い、変に意識してる感じは今のところない。
普段通りの雰囲気に、ちょっと安心する。
「じゃあ行くか」
そう言ってさっさと歩き始めようとする彼に、「どこに?」と尋ねる。
久我くんはTシャツにジーンズという、私以上にラフな格好をしていて、改まったデートスポットに行く感じではなかった。
すると、彼は。
「ああ、それなんだけど……俺んち行かないか?」
……家⁉︎?
まさか家に行こうと言われるとは夢にも思っていなくて、思わず固まってしまう。
さらに。
「今日どんなデートにするかいろいろ悩んだんだけど……俺は時山さんみたいに高級で特別感溢れるデートは用意できないなって……。
でも、お前とデートできるこのチャンス内を活かして、ここで時山さんと差をつけなきゃ意味がない。
だから、俺が時山さんに勝てることって何かなってずっと考えてた。
それで思ったんだ。時山さんに勝てることが、一つある。
それを、俺んちで見せるよ。七香、俺のテクを披露させてくれ!」
「テ、テク⁉︎」
な、なにテクって⁉︎ く、久我くん……真昼間の人通りの多いこんな場所でなんでそんな破廉恥な……!
いや、そうじゃなくても『テクを見てくれ』っておかしくない⁉︎