オフィスに彼氏が二人います⁉︎
「そうだなぁ。一緒に買い物とかしたい、けど……」

「けど?」

「この間みたいにご飯食べるのも楽しいよね。今度は私も手伝う」

私がそう言うと久我くんはにっこりと笑って。


「じゃあ、また俺んちで飯食うか」


そして、私の髪を正面からくしゃっと撫でた。


きゅん。

突然のことに驚きながらも、私の胸は確かにときめいてしまって。


「あ……悪い、突然。つい……」

「う、ううん……」

髪の毛くしゃっとやるのは久我くんの癖みたいで、昔からよくやられた。

これをされてドキドキしたことは今までは一度もなかったのに……。


やっぱり私、久我くんのことかなり意識し始めて……



その時。



「お疲れ様」

後ろから聞こえたその声に、ハッと我にかえる。

振り向かなくても誰の声かわかる。


「お、お疲れ様ですっ」

顔を向けて挨拶すると、時山部長は微笑んだ。


……そして。



「仲良いね」

「え?」

「……なんてね」


そう言って、時山部長は私の隣に立ち、私たちと一緒にエレベーターを待つ。
私は久我くんと時山部長に挟まれてしまった。

急に、なんとなく気まずい。


「今度の日曜日、二人でデートするんだね? いいなぁ」

時山部長から、急にそんなことを言われる。
会話、聞いてたんだ。

デートいいなぁ、なんて。時山部長に言われたら、何て返せばいいのかわからない……。


すると、時山部長は。


「俺も混ざりたいな」


……え?
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