オフィスに彼氏が二人います⁉︎


「ここですか?」

「ああ……」


時山部長の家は本当にすぐ近くで、タクシーで五分も掛からなかった。


見上げるのに首が疲れそうなマンション。高級マンションであるというのは一目瞭然だった。



お部屋までは久我くんについていってもらって、私はここで待っていようかな……と思っていたのだけれど、


「嵩元さん、ごめん。鞄の中からマンションのキー出してもらってもいいかな?」

「え? あ、はいっ」

そう言って鞄を渡され、私がアワアワしている間に、時山部長はタクシーを降りた。彼の鞄を持っている私が一緒に降りないわけにはいかなかったため、私も一緒に車を出た。


タクシーは久我くんが支払いをしてくれて、結局、三人でお部屋の前まで向かうことになった。
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