オフィスに彼氏が二人います⁉︎
強引に唇を割って、彼の舌が口内に入り込んでくる。
ヌルッとしたその感覚に、思わず身震いする。

嫌だ。久我くん、見ないで……‼︎



「……だけど七香が嫌がってる! お願いだからやめてください‼︎」


再び久我くんが声をあげる。
さっきよりも強い力で私たちを引き剥がしてくれる。
私は、全身に力が入らなくて、ソファの背もたれに身体を預けながら呆然とするしか出来ない。


すると時山部長は、自身の濡れた口元を舌で軽く舐めると。


「腹が立つようなら、君もキスすれば良い」


そんな、とんでもないことを言う。
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