トンボ
予備校に行っても、落ち着かない。
最後の授業なんて緊張しすぎて頭に入ってこなかった。
今日の放課後をどう乗り切るか。
ただそれだけ。
放課後。
「マツ~!私泣きそう!」
「泣くな泣くな!うちも一緒に行っちゃるから!」
「うん!絶対だよ!
あ、トンボとか3号も一緒にいたらどうしよう!?
からかわれてるだけだったら行きたくない!
興味本位でじろじろ見られるのとか絶対嫌だ~!!!」
「ナナ、落ち着きな?
チラッと覗いてみて、もしトンボとかがいたらやめとくこともできるんだよ。
アヤに、友達と一緒だったから話しかけられなかったみたいだよ、とか言ってもらってさ。
だからとりあえず行ってみよう?
これ逃したらチャンスなんてなかなかないんだから!」
確かにマツの言うとおりだ。
この機会を逃したら田所くんとはずっと他人のまま・・・
「そんなの嫌だ!!
行こうマツ!当たって砕けろだ!」