トンボ


食堂の入り口に着いた。


「マツ、ちょっと先に覗いてみてくれない?」


「わかった」



柱の影からマツが中を覗く。


しばらくして、マツが振り返った。



「いるいる。
でも多分トンボと3号も一緒だな。
遠くだからはっきりとはわかんないんだけど・・・
ナナも覗いてみ!」


「うん・・・」



柱からおそるおそる中を覗く。


すると・・・



「きゃ!!!」



私は小さな悲鳴を上げて固まった。


だって、彼が、田所くんが、なぜか私の目の前にいたから。
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