ブルーライト
島田彰

着信

「もしもしイッちゃん!?」 なーんてね。

一成くん久しぶりです。畑井美希です。まさか私が電話に出るとは思わなかったでしょう。

どうして私が里中部長の携帯電話を持っているのか?そこがまず一番気になるところでしょう。

これが私のあなたにする最期の電話になると思います。

私はあなたに3年前のプールでの事故についてお話しをした時がありましたね。北島歩さんの死亡事故についてです。生前に歩は人を育てるという仕事に誇りを持ってました。私自身も身体を動かす楽しさを伝えたい。人々を笑顔にしたいと言う信念がありました。

お互いに夢に向かって語り合ってました。

私達はそういう絆で結ばれていました。


詳細は以前お話しした通りです。

さて、そろそろ本題にはいります。

私は今、園田ビルの中にいます。

そして、あなた、寺澤、花ちゃん、意外の園田フィットネスの全スタッフが今ココにいます。


彼等が今どのような状況なのかはいずれ解ります。

一成くん…私は〇〇〇理工学部にはいったですがそれは理由は彼等に裁く為です。

北島歩を殺して事故に見せかけたこのクズどもを木っ端微塵にカタチも残らないくらいに消してやりたかったからです。

短時間で効率よく一斉に殺す方法を考えました。


それで思いついたのが爆弾です。

でもどうやって手にいれる事が出来るのか。


更に考えました。


最終的に結びついた結論は自分で爆撃を作る事です。

爆撃のしくみをよく理解した方が失敗しないし確実に…理想的に殺す事ができると思ったからです。

ですが爆撃と言っても死ぬのも一瞬だし痛みも感じません。


それだと意味がないと思いました。



彼等には死への恐怖を感じてもらい自分達がした事に後悔し恐怖感のなかで泣く泣く死んでもらわないと…

本当は拷問してやりたいし残虐な仕打ちもしてやりたい。死にたいと思いたくなるくらい痛めつけて苦しんでもらわないと…相当思ったのですが…


でもこれだけのクズどもにそれ相当の制裁を加えるには複数の手がいる。

時間もいる。

でもそんなに時間もありません。

徹底的に生きて苦しんでもらう事ができずそれが心残りです。

彼等を捕獲してスクールバスでここまで運んでロープやガムテーム…手錠で身動き動けない状態にする。これらの作業を人目のつかないようにする為には月末2日の休館日しかないですから。

さて一成くん…時間ももうありませんので完結に迎える事にしましょう。


爆弾が完成しました。


正直、化学兵器とか私とは一番無縁なものだと思ってました。てか想像すらしてなかった。


あなたとはもっと違ったカタチで出会いたかった。あなたと過ごした日々は楽しかったけど…楽しくなる前に…あなたを友達だと思ってしまう前に早く実行に移そうと思います。



さようなら




電話が切れたと同時に物凄い爆撃音が響いた。園田ビルのある方角からもくもくとと煙が立ちこみ人々の悲鳴や聴こえる。


事の状況に飲み込めず一成は携帯電話を耳に当てたまま呆然とした表情で黒い煙がたつのを見ているだけだった。


身体が動かない……










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