まわりみち

喫茶店

「香」

授業が終わってから僕は香に声をかけた。

「何?」

「あのメモ…」

「返事でも言いにきたの?」

「いや、その…」

「ここじゃなんだから、喫茶店にでも行こうか」

香は待っていたというように歩き始めた。

僕と琴乃はそれに続いた。

僕たちが入った喫茶店にはほとんど人がいなかった。

注文をした後、香が口を開いた。

「2人とも、3回忌にはくるよね?」

「当たり前じゃないか」

「遙祐はそう言うと思ってた」

「私も行く」

「琴乃もそう言ってくれると思ってた」

香は突然笑いだした。

「それがどうしたっていうんだ?」

「透は杏子ちゃんの事が、心配なんだって〜」

「!」

僕はその一言に戸惑いを隠せなかった。

透がそう思ってるなんて、考えもしなかった。
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